レタトルチドRetatrutide
マンジャロの"次"と呼ばれる、受容体を3つ同時に叩くトリプル作動薬
エビデンスの最高段階第III相試験(TRIUMPH)進行中。第II相(NEJM 2023)で48週・平均約24%の体重減少
米国の状況未承認(開発段階)
日本の状況未承認
既知のリスク消化器症状(悪心・嘔吐・下痢)。長期安全性は未確立

レタトルチドとは
レタトルチド(Retatrutide、開発コード LY3437943)は、イーライリリーが開発中の注射薬です。GIP・GLP-1・グルカゴンの3つの受容体に同時に作用する「トリプル作動薬」で、マンジャロ(チルゼパチド)が GIP と GLP-1 の2つに作用するのに対し、グルカゴン受容体への作用が加わっています。
グルカゴン受容体への作用は、食欲を抑えてエネルギーを「入れない」方向だけでなく、エネルギー消費を「使う」方向にも働く可能性があると考えられています。
治験で報告されたこと
2023年に New England Journal of Medicine に掲載された第II相試験では、肥満のある成人を対象に48週間投与し、最高用量群で平均24%前後の体重減少が報告されました。これは既存の GLP-1 系薬を上回る数字で、英語圏で「マンジャロの次」と呼ばれる根拠になっています。
現在は第III相試験(TRIUMPH プログラム)が進行中です。第II相の数字はあくまで限られた被験者での結果であり、第III相の結果と規制当局の審査を経て初めて有効性・安全性が確定します。
日本と米国の承認状況
- 米国:未承認(本記事執筆時点)。承認申請の状況は変わりうるため、最新情報は FDA / イーライリリーの発表を確認してください。
- 日本:未承認。日本語の表記も「レタトルチド」「レタツルチド」「レタトルタイド」と揺れており、まだ定まっていません。
分かっていないこと
- 長期(数年単位)の安全性
- 投与中止後の体重再増加(GLP-1 系薬では中止後に体重がかなり戻ることが報告されています)
- 日本人集団でのデータ
関連
一次情報
- Jastreboff AM, et al. N Engl J Med. 2023;389:514-526.(第II相)
- ClinicalTrials.gov:TRIUMPH プログラム
本記事は研究・教育目的の情報提供です。特定の製品の使用を推奨・承認するものではなく、医学的助言ではありません。日本で未承認の医薬品は医薬品副作用被害救済制度の対象外です。最終更新:Fri Aug 21 2026 07:00:00 GMT+0700 (Indochina Time)