この薬を作っている町の子供たちは、太ったままだった
デンマークの町カルンボーは、ノボノルディスクの工場に約4,500人が雇われ、住民税は10年で6回下がった。だが同じ町は今も国内で子供の太り過ぎ率が上位5%に入る。痩せ薬で潤う町が、自分の子供の肥満は解決できていない。
出典:Fortune / Interact Analysis
デンマークの人口1.7万人未満の町カルンボーに、ノボノルディスクが約4,500人を雇用している。
税収は潤い、住民税は10年で6回下がった。デンマークの経済成長もほぼこの1社頼みになっている。
それでもこの町は、デンマーク国内で子供の太り過ぎ率が上位5%に入ったままだ。
痩せ薬オゼンピック・ウゴービを作るノボノルディスクの本社工場があるデンマークの町カルンボーで、繁栄と肥満が同居する逆説が報じられています。
1社に依存する町
カルンボーはコペンハーゲンから西へ約100kmの町で、人口は1.7万人に届きません。この町にノボノルディスクは約4,500人を雇用しており、住民の相当割合が同社の社員という状態になっています。同社はこの町に600億デンマーククローネ(約86億ドル)を投じて工場を拡張し、さらに1,500人の追加雇用を計画していると報じられています。デンマーク企業による同町史上最大の製造業投資です。
税収も潤沢になり、過去10年で地方所得税は6回引き下げられました。国全体で見ても、前年のGDP成長率**1.9%**は、ほぼ製薬業界(ノボノルディスク主導)によるもので、これが無ければ経済は停滞していたとの指摘もあります。
それでも子供の肥満は解決していない
一方で、Fortuneの報道によると、カルンボーはデンマーク国内で子供の**太り過ぎ率が上位5%**に入る町のままです。学校は優秀な教員の確保にも苦戦していると報じられています。世界的な肥満治療薬を作る町の子供たちが、その薬の恩恵を受けているようには見えないという構図です。
なぜこの逆説が起きるのか
考えられる要因はいくつかあります。肥満治療薬は高価で、承認されていても保険適用や自己負担の壁があり、子供への処方はさらに厳格な条件が付きます。また、肥満の背景には食生活・運動習慣・社会経済的要因など薬だけでは解決しない要素が絡みます。工場の雇用と税収が増えても、それが直接、住民の食習慣や子供の肥満対策に結びつくわけではないということです。
ヤバい点は?
- 本稿で確認できたのはFortune・Yahoo Finance・Interact Analysisなど複数の海外報道の一致であり、ノボノルディスク自身のIR資料や政府統計の一次データには本稿では到達していません
- 「薬を作る町が繁栄する」ことと「その町の健康課題が解決する」ことは、別の話だという点が今回の報道の核心です
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出典
- Fortune / Yahoo Finance「Danish manufacturing hub of weight-loss wonderdrug Ozempic is an epicenter for childhood overweightedness」2024年11月
- Interact Analysis「Ozempic: Denmark’s Greatest Modern Success and Economic Risk」
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