糖尿病のない人は、1年以内に3人に2人がGLP-1をやめていた
米国30医療システムのカルテデータを解析した研究で、糖尿病のない人の1年以内の中止率は64.8%、糖尿病のある人は46.5%と判明。中止した人のうち再開したのは糖尿病あり47.3%、なし36.3%だった。
出典:JAMA Network Open(本稿でNCBI E-utilitiesにより一次確認)
米国30医療システムのカルテデータ(Truveta社)を使った研究(PMID 39888616、本稿で一次確認)で、GLP-1受容体作動薬を始めた人の1年以内の中止率が分かった。
糖尿病のない人は64.8%が1年以内にやめていたのに対し、糖尿病のある人は46.5%。中止した人のうち再び使い始めたのは、糖尿病あり47.3%・なし36.3%だった。
JAMA Network Open誌に2025年1月に掲載された研究(PMID 39888616、著者Rodriguez PJ他)が、GLP-1受容体作動薬を始めた人が1年後にどうなっているかを大規模なカルテデータで調べています。本稿ではNCBI E-utilities(esummary/efetch)で著者名・誌名・巻号・abstract記載の数値まで直接照合し、一次確認しました。
何を調べたのか
対象は米国30の医療システムを横断する電子カルテデータ(Truveta社が提供)です。GLP-1受容体作動薬を新規に開始した患者について、1年以内の中止率と、中止後の再開率を、糖尿病の有無で分けて集計しています。
分かった数字
- 糖尿病のない人:1年以内の中止率64.8%(95%信頼区間 64.4–65.2)
- 糖尿病のある人:1年以内の中止率46.5%(95%信頼区間 46.2–46.9)
- 中止後に再び使い始めた割合:糖尿病あり47.3%、糖尿病なし36.3%
糖尿病のない人、つまり主に体重管理目的で使っている層のほうが、1年以内にやめる割合がはっきり高いという結果です。単純化すれば、糖尿病のない利用者の3人に2人が1年のうちにいったん手を離している計算になります。
なぜこの数字が重要なのか
GLP-1系の薬は「一度始めたら一生続ける薬」という語られ方をすることがあります。しかし今回の数字は、少なくとも実際の利用実態としては、多くの人が1年以内に中断し、その一部はまた再開しているという、もう少し出入りの激しい姿を示しています。
なお当サイトでは、GLP-1を中止した後の体重の戻り方についてケンブリッジ大の研究(半減期23週)をこちらの記事で扱っています。「やめる人がどれくらいいるか」と「やめたらどうなるか」は別の問いですが、合わせて読むと実態がつかみやすくなります。
出典
- Rodriguez PJ, et al. “Discontinuation and Reinitiation of Dual-Labeled GLP-1 Receptor Agonists.” JAMA Network Open. 2025;8(1):e2457349. PMID: 39888616(本稿でNCBI E-utilitiesにより一次確認)