速報2026-10-03

罰する仕組みは、確かにあった。使われたのは8回だけだった

ClinicalTrials.govへの虚偽登録を正式に罰するFDAの制度「Notice of Noncompliance」が、2021年から2025年の4年間で8件しか発動されていなかった。本誌既報の偽治験8件もこのリストには含まれていない。

出典:FDA公式ページ「ClinicalTrials.gov Notices of Noncompliance and Civil Money Penalty Actions」

ClinicalTrials.govに虚偽の情報を登録した場合、FDAが正式な制裁(Notice of Noncompliance)を出せる制度がある。

ところが2021年4月から2025年8月までの4年強で、実際に発動されたのはわずか8件だった。

本誌が既報で伝えたHudson Biotech名義の偽治験8件は、このリストのどこにも登場しない。

虚偽の治験情報を取り締まる仕組みは、ちゃんと存在していた。ただし、ほとんど使われていなかった。

何が起きたのか

FDAの公式ページには、ClinicalTrials.govへの登録義務違反に対する制裁の記録が公開されている。違反の種類には、結果報告の未提出だけでなく「虚偽・誤解を招く情報を知りながら提出した場合」も含まれる。

このページを確認したところ、正式な制裁であるNotice of Noncomplianceが発出されたのは、2021年4月27日(Acceleron Pharma社)から2025年8月4日(Mantia-Smaldone氏)までの間で合計8件のみだった。その前段階にあたる予備通知(Pre-Notice)まで含めても232件にとどまる。

本誌が既報で伝えた、BPC-157・MOTS-c・TB-500・GHK-Cu・メラノタンIIなどを対象にした同一スポンサー(Hudson Biotech)名義の偽治験8件(うち1件はタイトルに文字通り(Mock Study)と書かれていた)は、このリストのどちらにも含まれていない。

なぜこれが注目されているのか

ClinicalTrials.govへの登録は研究者の自己申告であり、FDAが登録内容を事前に審査しているわけではない。虚偽の登録があっても、それを罰する制度の運用実績が4年で8件という少なさは、「仕組みはあるが機能していない」実態を映している可能性がある。

本誌既報のHudson Biotech名義の偽治験は、発見から半年以上(最終更新は2026年3月26日)経っても登録情報に動きがない。制裁リストに登場しないという事実は、「見過ごされている」のか「まだ審査中」なのかを区別できないが、少なくとも罰則が発動された形跡はないことを意味する。

ヤバい点は?

  • Notice of Noncompliance 8件・Pre-Notice 232件という数字はFDA公式ページの一覧を数えたものであり、非公開の内部対応(警告のみ等)がある可能性は否定できない
  • Hudson Biotechがリストに無いことは「制裁を受けていない」ことの証明であって、「今後も制裁を受けない」ことの証明ではない
  • ClinicalTrials.govの登録は研究が実在する証明にはならない。NCT番号があるからといって、その治験が実際に行われているとは限らない

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出典

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本記事は海外の一次情報を日本語で要約した速報です。医学的助言ではありません。執筆:ペプチ堂管理人