同じ薬なのに、恵まれた子の方が多く処方されていた
350万人超の肥満児を分析した研究で、8〜11歳のGLP-1処方は社会的に恵まれた子供の方に約55%多く出ていることが判明。性別・年齢・併存疾患による差も大きかった。
出典:Pediatrics
糖尿病のない肥満児350万人超を分析した研究で、8〜11歳へのGLP-1処方に大きな偏りが見つかった。
社会的に恵まれた子供は10,000人あたり76.1人が処方される一方、脆弱性が高い子供は49.2人——約55%の開き。
性別・年齢・併存疾患による差もはっきり出ていた。
子供へのGLP-1処方が増えていること自体はこれまでも報じられてきましたが、「誰に増えているか」を見た研究が新たに発表されました。
何を調べたのか
Pediatrics誌(2026年9月4日、PMID 42692477)に掲載された研究です。糖尿病のない肥満児352万531人を分析し、実際にGLP-1受容体作動薬を処方されたのは全体の**0.6%**でした。本稿ではNCBI E-utilities経由に抄録原文を確認しています。
誰に多く処方されているのか
社会的脆弱性が低い(=裕福な)子供は10,000人あたり76.1人が処方される一方、脆弱性が高い子供は49.2人——約55%の開きがありました。
性別・年齢による差も大きく、女児は男児の約1.8倍(75.9対42.8/10,000)、11歳は8歳の約1.9倍(79.5対41.5/10,000)でした。肥満関連の併存疾患がある子供は188.9/10,000と、全体平均の約2.5倍に達しています。
これまでの報告との関係
このサイトでも、8〜11歳への処方が過去7年で310倍に増えているという同じ論文由来の別の報告を紹介してきました(関連記事)。今回の分析は「増えている」ことに加えて「誰に増えているか」という別の断面を示したもので、同一研究の異なる側面にあたります。
処方の増加自体は複数の調査で確認されている一方、その広がり方には所得や社会的な環境による偏りがあることが、今回の大規模データで明らかになりました。対象となっているのは主にセマグルチド・チルゼパチド・リラグルチドなどのGLP-1受容体作動薬です。
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出典
- Pediatrics. 2026-09-04.(PMID 42692477)
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