NO.033承認薬

リラグルチド

Liraglutide

別表記:サクセンダ/ビクトーザ/Saxenda

毎日打つ、初代の痩せ薬

サクセンダとビクトーザの正体。GLP-1ブームの「一世代前の主役」

リラグルチド
どこまで確かめられたか
  1. 試験管・理論
  2. 動物実験
  3. ヒト試験
  4. 承認

第III相(SCALE、NEJM 2015)56週で平均8.4kgの体重減少(プラセボ2.8kg)。米国で肥満症に承認

日本とアメリカで使えるか
JP承認あり

ビクトーザ(2型糖尿病)として承認済み。肥満症向けサクセンダは未承認

US承認あり

承認済み(Victoza:2型糖尿病 2010年/Saxenda:肥満症 2014年)

知っておくべきリスク

悪心・下痢・便秘などの消化器症状。胆嚢関連事象・膵炎のリスクは添付文書に記載

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何者? GLP-1受容体作動薬の「初代の主役」。オゼンピックやマンジャロより前に、肥満症治療を切り開いた分子です。

海外では? 米国で2014年、GLP-1系として初めて肥満症に承認されました(サクセンダ)。

日本では? 糖尿病治療薬ビクトーザとしては承認済み。ただし肥満症向けのサクセンダは未承認です。

結局、なにをする成分?

ヒトのGLP-1というホルモンを、分解されにくく作り替えた注射薬です。食欲を抑え、胃の動きをゆっくりにし、血糖に応じてインスリンの分泌を促します。仕組みはセマグルチドと同系統ですが、リラグルチドは毎日1回の注射で、週1回の後発世代とはここが大きく違います。

なぜ今も名前が挙がるのか

3つ理由があります。第一に、日本語の検索では「サクセンダ」の名前が今も大量に調べられていること。海外のオンライン処方や医療ダイエットの文脈で最初に広まった名前だからです。第二に、特許の切れた領域からジェネリックが出始めており、米国では2024年以降、リラグルチドの後発品が相次いで承認されています。第三に、週1回の新世代と比べて「効果が穏やか」なぶん、比較の基準点として引き合いに出され続けています。

で、効くの?

研究の段階到達中身
ヒト第III相○SCALE試験(3,731人・56週)で平均8.4kgの減少(プラセボ2.8kg)
規制の判断○米国で肥満症に承認(2014年)。GLP-1系では最初
新世代との比較○週1回のセマグルチド(平均約15%減)より減量幅は小さい

「サクセンダ 痩せない」という検索が多いのは、おそらくこの相対的な位置のせいです。効かないのではなく、新世代と比べると穏やか——それが試験データ上の正確な言い方です。また、やめた後に体重が戻りやすいことはGLP-1系に共通で、リラグルチドも例外ではありません。

ヤバい点は?

  • 消化器症状(悪心・下痢・便秘)が最も多い副作用です。毎日注射のため、増量も日単位で進みます
  • 胆嚢関連の事象や膵炎のリスクが添付文書に記載されています
  • 日本でサクセンダ(肥満適応)は未承認です。国内で「サクセンダ」として入手するルートは正規の承認流通ではなく、個人輸入品で健康被害が出ても医薬品副作用被害救済制度の対象外です
  • 追記(2026-09-12):FDAは2026年1月、サクセンダを含むGLP-1受容体作動薬3製品について、自殺念慮・自殺行動に関する添付文書上の警告表示を削除するよう製薬会社に要請しました。臨床試験91件・224万人超の請求データ分析が根拠ですが、本稿確認時点で実際のラベルはまだ更新されていません(詳細は関連記事)

日本と米国の今

日本米国
糖尿病ビクトーザとして承認済みVictoza として承認済み(2010年)
肥満症未承認Saxenda として承認済み(2014年)
後発品―2024年以降、複数のジェネリックが承認

ペプチ堂管理人の本音

サクセンダは「日本の医療ダイエット」という市場を作った名前です。でも冷静に見ると、いま同じ目的で選ぶなら週1回の新世代が試験データで上回っており、日本には肥満症の承認すらありません。「有名だから」で選ばれ続ける構造と、データの現在地がずれている——その典型例として、この図鑑に載せる価値があると思っています。使用は勧めませんし、入手方法にも触れません。

よくある質問

Q. サクセンダとビクトーザは何が違うのですか? A. 有効成分は同じリラグルチドで、承認された用途と用量設計が違います。ビクトーザは糖尿病、サクセンダは肥満症向けです。

Q. サクセンダは日本で承認されていますか? A. 肥満症向けのサクセンダは未承認です。日本で承認されているのは糖尿病治療薬としてのビクトーザです。

Q. 「痩せない」という口コミが多いのはなぜですか? A. 試験では平均8.4kg減(56週)で、効果自体は示されています。ただし週1回の新世代(平均約15%減)より穏やかで、個人差も大きいため、期待とのギャップが語られやすいのだと考えられます。

Q. やめたらリバウンドしますか? A. GLP-1系に共通して、中止後に体重が戻りやすいことが試験で示されています。リラグルチドも例外ではありません。

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出典

  • Pi-Sunyer X, et al. A Randomized, Controlled Trial of 3.0 mg of Liraglutide in Weight Management. N Engl J Med. 2015;373(1):11-22.(SCALE。56週で平均8.4kg減 対 プラセボ2.8kg/PMID: 26132939)https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26132939/
  • FDA. Drugs@FDA — VICTOZA(NDA022341、2010年1月25日承認)/SAXENDA(NDA206321、2014年12月23日承認)。リラグルチドの後発品(ANDA)が2024年12月以降複数承認されていることを含め、openFDA API で2026年8月24日に照合
  • 日本:ビクトーザ(リラグルチド)は2型糖尿病治療薬として承認済み。肥満症適応(サクセンダ相当)の国内承認は確認できない
  • 医薬品の個人輸入のルール

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本記事は研究・教育目的の情報提供です。特定の製品の使用を推奨・承認するものではなく、医学的助言ではありません。日本で未承認の医薬品は医薬品副作用被害救済制度の対象外です。執筆:ペプチ堂管理人/最終更新:2026-09-12