速報2026-10-13

「レタトルチド」として売られた薬に、レタトルチドは入っていなかった。中身は正規品の8倍量のセマグルチドだった

豪TGAが2026年9月14日に警告を発表。「レタトルチド」表示の未承認製品を使った患者が、制御不能な嘔吐から食道裂傷を起こし入院した。検査ではレタトルチドは検出されず、代わりに未表示のセマグルチドが正規品の約8倍の濃度で検出された。

出典:TGA(豪医薬品規制当局)・ABC News(2026-09-14)。本稿でWebFetch直接確認

オーストラリアの規制当局TGAが2026年9月14日、未承認ペプチドに関する警告を発表した。

「レタトルチド」として売られていた製品を使った患者が、制御不能な嘔吐から食道裂傷を起こし入院。TGAが製品を検査したところ、レタトルチドはゼロで、代わりに未表示のセマグルチドが、TGAが評価した正規品の約8倍の濃度で検出された。

「量が違う偽物」ではなく「表示と全く別の、より強い薬が無表示で入っていた」という一段深刻な話。

何が起きたのか

本稿がTGA公式発表・ABC Newsの報道を直接確認したところ、オーストラリアの医薬品規制当局TGA(Therapeutic Goods Administration)は2026年9月14日、未承認ペプチドの使用に関する警告を発表した。

患者は「レタトルチド」として販売されていた未承認製品を使用した後、制御不能な嘔吐を経験し、食道裂傷を起こして入院した。TGAが当該製品を検査したところ、ラベルに記載されたレタトルチドはゼロだった。代わりに検出されたのは、ラベルに表示のないセマグルチドで、その濃度はTGAが評価した正規のセマグルチド製品の約8倍だった。

メルボルンの消化器科医Darcy Holt医師は、食道裂傷は「ほぼ例外なく致命的(almost universally fatal)」になりうると述べ、高用量の薬物摂取が「激しい悪心・強制的な嘔吐」を引き起こし、食道の損傷につながると説明した。この患者は肝毒性と重度の下痢も経験していたという。

別の調査も「量」の問題を指摘していた

これとは別に、本稿がNCBI/PMCで直接確認した査読論文(Drug and Alcohol Review 2026;45(6):e70231、PMID 42559975、クイーンズランド大学Piatkowski・Craven・Cornell・Ferris各氏、2026年8月6日掲載)は、オーストラリアで売られている「レタトルチド」表示製品3本を分析している。

こちらの3本には、本物のレタトルチドが検出されたが、ラベル表示(10mg)との乖離が大きく、検出量はそれぞれ5.13mg(51.3%)・19.0mg(190.0%)・16.5mg(165.0%)だった。重金属は毒性学的な懸念水準ではなかった。この論文自体は、TGAが検査した食道裂傷の事例の製品を分析したものではなく、同じ「レタトルチド」表示の闇市場全体に共通する**別の種類の問題(量の不一致)**を示す一次資料として扱える。

つまり今回の闇市場には、少なくとも2種類の問題が確認されている。①表示と違う物質そのものが入っているケース(TGAが検査した食道裂傷の事例)と、②物質は本物だが量が表示と大きくずれているケース(上記論文の3本)。どちらも「研究用」の名目で流通する製品の中身が保証されないことを示している。

ヤバい点は?

  • レタトルチドは日米ともに未承認(審査中)。海外通販で「レタトルチド」として売られている製品は中身の保証が一切ない
  • 「別の薬がまったく無表示で、しかも高濃度で入っている」ケースと「本物だが量がずれている」ケースの両方が確認されており、どちらに当たるかは買う側には分からない
  • セマグルチドの過剰摂取は、悪心・嘔吐の悪化を通じて食道裂傷のような重篤な合併症につながりうる
  • 健康被害が出ても、未承認ルートで入手した製品は医薬品副作用被害救済制度の対象外

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出典

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本記事は海外の一次情報を日本語で要約した速報です。医学的助言ではありません。執筆:ペプチ堂管理人