注射ペン12,000本、さらに3万本分の包装材。英国の倉庫に積まれていたのは、偽物のレタトルチドとチルゼパチドだった
英MHRA(医薬品医療機器規制庁)と警察が2026年10月14日、バーミンガムの倉庫を強制捜査。偽造レタトルチド・チルゼパチドのペン型注射剤12,000本超(時価約200万ポンド)と、3万本分相当の包装材を押収した。
出典:英MHRA(医薬品医療機器規制庁)公式発表・業界メディア
英MHRA(医薬品医療機器規制庁)と西ミッドランズ警察が2026年10月14日、バーミンガムの産業用倉庫を強制捜査した。
押収したのは偽造レタトルチド・チルゼパチドのペン型注射剤12,000本超(時価約200万ポンド)。さらに3万本分相当の包装材も見つかった。
「包装材が3万本分」という数字が示すのは、押収できた12,000本がこの倉庫の生産能力のごく一部だったという可能性だ。
何が起きたのか
英MHRA(Medicines and Healthcare products Regulatory Agency)と西ミッドランズ警察が2026年10月14日、バーミンガムにある産業用倉庫を強制捜査した。押収したのは、偽造されたレタトルチド・チルゼパチド表示のペン型注射剤12,000本超で、時価は約200万ポンド(日本円で約3.8億円相当)にのぼるという。
さらに見つかったのが、3万本分に相当する未使用の包装材だ。すでに完成していた12,000本は氷山の一角で、倉庫はそれ以上の規模で製造を続けるつもりだったことをうかがわせる。
MHRA担当者はこの摘発について「これらの製品は安全性・品質・有効性が一切評価されておらず、何が入っているか保証はない」とコメントしている。
「量」だけでなく「中身」が未知数
レタトルチド・チルゼパチドはいずれも日米ともに未承認(審査中または適応限定)の薬で、正規の製造・流通ルートの外で作られた製品に、品質保証の仕組みは存在しない。
豪TGAが2026年9月に検査した「レタトルチド」表示製品では、レタトルチドが検出されず、代わりに未表示のセマグルチドが正規品の約8倍の濃度で検出されていた。今回のバーミンガムの押収品についても、現時点で成分分析の結果は公表されていない。「表示通りの量が入っている偽物」なのか、「別の物質が無表示で入っている偽物」なのかは、まだ分かっていない。
ヤバい点は?
- 押収された製品の成分分析結果は、本稿執筆時点で公表されていない。中身が何かは不明なまま
- 偽造品が流通していたこと自体は確認済みで、同じ流通網からすでに一般に販売された分がある可能性は排除できない
- 未承認ルートで入手した製品による健康被害は、日本・英国いずれも公的な救済制度の対象外
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- レタトルチドとは
- チルゼパチド(マンジャロ/ゼップバウンド)とは
出典
- MHRA(Medicines and Healthcare products Regulatory Agency)公式発表(2026年10月14日)。本稿でWebSearch確認
- Chemist+Druggist等、英国医薬品業界メディアの報道。本稿でWebSearch確認