イギリスの薬局10軒に1軒、自分の店がネット上で『クローン』されていた。偽の痩せ薬を売るために
英国の薬局業界団体NPAが通信販売薬局100店舗を調査(2026年4月16日発表)。10軒に1軒が過去1年間に自社サイト・SNSを犯罪者にクローンされ、偽の痩せ薬販売に使われていた。被害を通報した薬局の96%がSNS企業の対応を、92%が規制当局の対応を『不十分』と回答。
出典:National Pharmacy Association(英国薬局業界団体)、2026年4月16日発表。本稿でWebFetch直接確認
英国の薬局業界団体NPAが通信販売薬局100店舗を調査(2026年3月26日〜4月6日実施、4月16日発表)。
過去1年間に、自社のウェブサイトやSNSページを犯罪者にクローン(複製)され、偽の痩せ薬販売に使われた薬局が10軒に1軒あった。
被害を通報した薬局のうち、SNS企業の対応を「不十分」と答えたのは96%、英国の医薬品規制当局(MHRA)の対応を「不十分」と答えたのは92%だった。
何が起きたのか
本稿がNPA(National Pharmacy Association、英国の薬局6,000店を代表する業界団体)の発表を直接確認したところ、同団体は通信販売薬局(DSP)100店舗(英国内DSPの約4分の1に相当)を2026年3月26日〜4月6日に調査し、結果を4月16日に発表した。
過去1年間に、自社のウェブサイトまたはSNSページを犯罪者にクローン(複製)された薬局が10軒に1軒あった。偽サイトは、本物の薬局そのものを装って偽の痩せ薬を販売するために使われていた。犯罪者の一部は、英国の薬剤師評議会(General Pharmaceutical Council)や医療・介護品質委員会(Care Quality Commission)のロゴを無断使用し、正規薬剤師の健康アドバイス動画まで盗用して信頼性を装っていたという。
5軒に2軒の薬局が、規制外の業者から減量薬を購入してしまった患者の事例に遭遇していた。ある薬局は、患者から問い合わせを受けて初めて自社サイトがクローンされていたことに気づいたという。その患者は、本物の市場価格の4分の1の値段で偽のマンジャロ(チルゼパチド)ペンを、クローンサイトから購入していた。
訴えた先、どちらからも「不十分」
クローン被害を通報した薬局のうち、SNS企業の対応を「不十分」と回答したのは96%、**英国の医薬品規制当局MHRAの対応を「不十分」と回答したのは92%**だった。NPAの担当者は、SNS大手を「ハンドルを握ったまま寝ている(asleep at the wheel)」と批判し、MHRAの取り組みを「大海の一滴(a drop in the ocean)」と評した。
NPAは英国保健大臣に調査結果を送付し、安全な正規オンライン薬局を見分けられるようにするための対策(新しい「pharmacy」専用ドメイン名、規制済みオンライン薬局リスト、専用ロゴなど)を求めている。
ヤバい点は?
- この調査は薬局側の自己回答による自己申告調査で、回答率・サンプルの代表性には限界がある
- 「本物の店を騙る偽サイト」は、個人輸入・海外通販でペプチドを買う人にとっても同じ構造のリスクになる。正規の店に見えても、本物かどうかの確認手段は限られている
- 英国の制度の話だが、SNS上でクローンサイトへ誘導される手口自体は国境を越えて共通する
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出典
- National Pharmacy Association「One in 10 online pharmacies have websites or social media cloned by criminals in last year」(2026年4月16日、本稿でWebFetch直接確認). https://www.npa.co.uk/news/2026/april/one-in-10-online-pharmacies-have-websites-or-social-media-cloned-by-criminals-in-last-year-npa/
- The Pharmaceutical Journal「Criminals cloned one in ten online pharmacy websites in past year, survey shows」(本稿でWebSearch確認、NPA発表と数字が一致)