アメリカの雇用主、肥満治療目的のGLP-1カバー率が1年で72%→60%に低下。14%は2027年に打ち切り
米国の雇用主団体Business Group on Healthの調査で、肥満治療目的のGLP-1薬を保険でカバーする雇用主が2025年の72%から2026年に60%へ低下したと判明。14%は2027年までに打ち切る見込みで、薬局費用が薬剤費全体の25%を占めるまで膨らんでいる。
出典:Business Group on Health(本稿でWebFetch直接確認)
米国の雇用主団体Business Group on Healthが2026年6月に完了した調査で、肥満治療目的のGLP-1薬を保険でカバーする雇用主の割合が2025年の72%から2026年には60%に下がったと分かった。
調査対象は127社、カバーする従業員は米国内870万人を含む世界1,100万人超。
すでにカバーをやめた、または2027年にやめる予定の雇用主は14%に達する。
何が起きたのか
米国の大手企業が加盟する非営利団体Business Group on Healthが、2026年6月に完了した調査結果を公表した。127社(米国内で870万人、世界全体で1,100万人超をカバー)を対象にしたこの調査で、肥満治療を目的としたGLP-1受容体作動薬(セマグルチド・チルゼパチドなど)を保険でカバーしている雇用主の割合が、2025年の72%から2026年には60%へ低下したことが明らかになった。
現在カバーしている雇用主のうち、2027年も「継続する見込みが高い」と答えたのは72%にとどまり、「継続しない見込みが高い」と答えた雇用主は10%いた。すでに打ち切った企業と合わせると、2027年までに14%の雇用主がカバーを失うことになる。
なぜ下がっているのか
本稿が直接確認した調査結果によれば、雇用主の約8割が「GLP-1が自社の医療費を増加させている」と回答している。薬局(pharmacy)にかかる費用は、すでに雇用主の薬剤費全体の25%を占めるまで膨らんでいるという。
対応策として、69%の雇用主が血液検査などの生体データで対象者の適格性を確認し、45%が体重管理プログラムへの参加を条件にしている。保険を打ち切るのではなく、対象を絞り込む形で費用を抑えようとする動きも広がっている。
本サイトでは以前にも、Tricare(軍関係者向け医療保険)やOhio州の公的保険、Starbucks・Bank of Americaといった個別企業のカバー縮小・分断を報じてきたが、今回の調査は業界横断的に「保険離れ」が進んでいることを示す数字になる。
ヤバい点は?
- この調査は雇用主団体自身による発表であり、個々の企業名は公開されていない
- 「カバーをやめる」という回答は見込みであり、実際の決定は2027年の予算編成を経て変わる可能性がある
- 保険でカバーされなくなった従業員が、研究用ペプチドなど未承認の個人輸入品に流れるリスクについては、この調査では触れられていない
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出典
- Business Group on Health. “GLP-1 Costs Loom Large for Employers, Forcing Challenging Coverage Decisions, Business Group on Health Survey Finds”(本稿でWebFetch直接確認). https://www.businessgrouphealth.org/newsroom/news-and-press-releases/press-releases/2026-glp-1-survey